以下のような症状がある場合は、危険を知らせるサインです
- 便が水のように、または泥のようになっている
- 長期にわたってお腹の痛みと下痢が続いている
- 下痢に血液が混ざっている
- 一日の便意が以前と比べて増えて、下痢が続いている
- 便秘なのに下痢状の便が少しずつ出る
下痢とは
腸に炎症が起きることで、消化吸収に異常が生じて下痢が起きます。通常の便は、形状がはっきりとしていますが、その形状がなく便中に含まれる水分量が多く、ほとんど泥状または水のように排便します。一時的な下痢症状の場合もありますが、身体の異変によって症状が現れることがあるので、気になる場合は当クリニックまでご相談ください。
下痢の原因
腸管蠕動運動の異常
腸管の蠕動運動に異常が起こると、水分吸収が上手にできず、固形の便ができなくなってしまいます。蠕動運動の異常を引き起こす原因は、以下の通りです。
- がん性腹膜炎
- 過敏性腸症候群
- 甲状腺機能亢進症
腸管内の炎症
腸管内に炎症が起きると、以下のような異常が起こります。
- 水分を吸収しにくくなる
- 腸管壁の組織液が滲みでて水っぽい便になる
炎症の原因は、以下の通りです。
- 細菌やウイルスによる感染性腸炎
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
- 胃薬や抗生剤などによる薬剤性腸炎
- 膠原病
感染性腸炎
感染性腸炎の場合、急性の下痢症状を引き起こします。サルモネラ菌・腸炎ビブリオ・カンピロバクター・病原性大腸炎菌による感染のほか、ノロウイルス・ロタウイルスなどのウイルス感染が原因となります。感染経路は、以下が挙げられます。
- 食品や水からの感染
- ヒトからヒトへの接触感染
- 動物からの感染
※細菌やウイルスの潜伏期間は、4時間~10日と幅がありそれぞれ異なります。
薬剤による副作用
以下の薬剤使用による腸炎は、注意が必要です。
- 胃酸分泌抑制薬
- 抗生物質
- 下剤
- 抗炎症薬
- 抗がん剤
- 解熱鎮痛薬
胃酸分泌抑制薬によって下痢を起こすコラーゲン性大腸炎があります。服用を中止すれば症状が改善できますが、診断がないと対処できません。
抗生物質が原因となる偽膜性腸炎もあります。抗生物質により腸内細菌叢が変化し、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)が増殖し下痢を起こします。
栄養不足・低アルブミン血症
アルブミン原料不足(栄養失調)・アルブミン合成能低下・アルブミン喪失などの原因で、アルブミン量が低下すると、血管から水が染み出るため、下痢が生じます。疾患としてはアルブミン合成機能不調の場合、肝炎・肝硬変・肝不全などの恐れがあります。アルブミン喪失が原因の場合は、糖尿病性腎症・慢性腎臓病・ネフローゼ症候群などの可能性があります。
下痢の治療
下痢の治療方法は、以下の3つの方法があります。
薬物療法
水分補給と点滴
生活習慣の乱れ・極度の精神的ストレス
腸の蠕動運動は自律神経によってコントロールされているため、生活習慣やストレスに大きな影響を受けます。そのため、適切な生活習慣とストレスと上手に付き合う、あるいはストレスをうまく発散することが下痢解消のために大切になります。
下痢が疑われる場合は
当クリニックまでご相談ください
長期にわたり下痢の症状が継続すると、精神的にも体力的にも苦痛を強いられます。当クリニックでは、患者様の日常生活に加えて、精神的ストレスの背景も十分考慮しながら診察・治療を行っております。下痢は、放置してしまうことが多く見られますが、重篤な疾患が隠れている恐れもあります。気になる下痢や、長い期間お悩みの方は、どうぞ当クリニックまでお気軽にご相談ください。